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更新料を拒否された!

更新料は強制できるのか

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まもなくアパートの契約期間が満了します。更新料を1カ月分払って契約を更新するように言ったところ、「更新料を支払わないと契約は更新されないのでしょうか」と聞かれました。

合意更新と法定更新

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賃貸借契約の更新には、貸主・借主間の合意によって更新される「合意更新」と、合意がなくても法律の規定によって自動的に更新される「法定更新」があります。
以下、この2つを分けて説明していきましょう。
当事者の合意で決まる……「合意更新」
合意更新の場合、更新料の支払いは、原則として当事者の合意により決まります。
賃貸借契約書の中に契約更新時には更新料を支払うことがはっきりと規定されていれば、「更新料が著しく高額で借主の利益を害するものでない」(借地借家法30条参照)限り、借主は合意に従って、決められた更新料を支払わなければなりません。
しかし、借主が契約時に更新料について説明を受けた覚えがなく、更新料の支払いの合意がない場合には、貸主は更新料の支払いを強要できません。
契約は自動更新される……「法定更新」
「借地借家法」では、次のように定められています。すなわち、貸主が借主に対して、契約期間満了の1年前から6カ月前までの間に、正当な理由のある更新拒絶の通知をするか、条件を変更しなければ更新しないという通知をしない限り、契約は前と同じ条件で自動的に更新されると規定されているのです。
これを「法定更新」といいます。
もし、更新料支払いについて合意がない場合、更新料を支払わなくても契約が自動的に更新されますから、借主は更新料を支払う必要はありません。判例も、借地に関する事案ではありますが、「更新料の支払い義務は慣習上認められるものではない」としています(最高裁/昭和51年10月1日)。

ここに注意、更新契約

一方、契約書などで、「更新料を支払わなければならない」などと書かれている場合には注意が必要です。この場合でも法定更新によって契約自体は更新するのですが、更新料を請求できるかどうか、が問題となるのです。
この点は、法定更新の場合にも更新料を支払う必要があるとするもの(東京地裁/昭和61年10月15日判決)と、法定更新の場合には更新料を支払う必要はないとするもの(東京地裁/平成2年7月30日判決)があり、判断が分かれています。
基本的には、契約書の書かれ方によって判断が異なってきます。たとえば、「賃貸借契約は合意により更新することができる。この場合には借主は、更新料として、新賃料の1カ月分を貸主に支払わなければならない」と書かれていたとします。
この場合、法定更新については一切書かれていませんから、素直に読むと、更新料を支払う場合は、「合意により更新する場合」だと解釈できます。したがって、法定更新によって契約が更新された場合には更新料を支払う必要がない、と判断されやすいでしょう。
しかし、反対に、「賃貸借契約が更新されたときは、合意更新であると法定更新であるとを問わず、借主は、更新料として、新賃料の1カ月分を貸主に支払わなければならない」と書かれている場合には、「法定更新」の場合も更新料を支払わなければならないよう書かれている場合、更新料を請求できる可能性があります。
さて、質問ですが、賃貸借契約に更新料の支払いに関する合意があれば、貸主は更新料を請求できます。では、借主が更新料を支払わなかった場合、更新料の不払いを理由に契約を解除できるのでしょうか。
一概には言えませんが、質問では更新料が家賃の1カ月分に過ぎず、更新料の不払いのみでは信頼関係が破壊されたといえない可能性が高いため、賃貸借契約の解除はできないと考えます。
もっとも、他に家賃不払いなど信頼関係の破壊をうかがわせる事情がある場合には、更新料の不払いが信頼関係破壊の理由の一つとみなされ、解除が認められる方向に作用することはもちろんです。

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