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原状回復費用の公的基準

行政のガイドラインについて知りたい

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原状回復をめぐるトラブルについては、行政が定めた「ガイドライン」を基に解決が図られていると聞きました。また東京都では、条例によって原状回復に関する費用負担について説明することが義務付けられていると聞きました。詳しく教えてください。

トラブル解決の指針となる公的ガイドライン

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敷金精算と原状回復をめぐる苦情、トラブルの増加に対応するため、旧建設省は平成11年に「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を発行しました(平成16年2月に国土交通省住宅局が改訂)。
このガイドラインには、さまざまな事例について、貸主と借主のどちらが費用を負担すべきかという基準が、明確にされています。
強制力はありませんが、裁判所が概ねガイドラインに沿った内容で判断する場合が増えており、事実上法律と同様の効果を持ち始めています。よって、当サイトでもそれを基準として検討したいと思います。
賃貸借契約における「通常の使用による損耗」については、あくまでも貸主が負担すべきであり、借主は粗暴な使い方により発生した損耗だけを費用負担すればよいことが、ガイドラインにおいても確認されています。
ガイドラインが提示する「通常使用による損耗と通常使用を超える損耗の区別」、及び「借主が原状回復義務を負う場合の修繕の範囲」については、リンク先の損耗・毀損の事例区分(部位別)一覧表と借主の原状回復義務等負担一覧表を参照してください。
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/genzyokaifukugaido.pdf

借主への説明責任を定めた東京都条例

平成16年10月1日から、借主への説明責任を定めた東京都条例「東京都で賃貸住宅紛争防止条例(東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例)」が施行されました。
この条例は、東京都内に存在する不動産業者に対して、入居中の修理や原状回復の費用負担に関して、まず法律の一般原則を説明し、次に実際の契約での費用負担特約がどうなっているのかを、独立した書面で借主に説明する義務を課したものです。
この条例は不動産業者が対象であり、不動産業者以外の貸主は規制の対象ではありません。
また、主に居住を目的とする建物が対象で、倉庫や店舗の賃貸借には適用されません。
東京都の物件を扱うすべての仲介業者が、条例で定められる説明をきちんと行えば、原状回復に関する紛争は大幅に減少すると考えられます。
そして、この東京都条例により、原状回復に関する紛争が減少すれば、同条例は、他の地域の仲介業者にも多大な影響を与えるでしょう。

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