無催告解除特約の実効性
今回のテーマは、「無催告解除特約の実効性」です。
この場合の「催告」とは、たとえば、
「滞納賃料○ヶ月分○円を、本通知書受領後1週間以内に支払って下さい」
と借主に通知することですが、これに、
「期限内に支払がなかった場合には契約を解除します」
と付け加えると「催告解除」ということになります。
これに対し、無催告解除特約とは、たとえば、契約書において、
「賃料の支払を1ヶ月分でも怠った場合には、催告なしで、契約を解除できる」
と定めている場合です。
この場合、実際に賃料1ヶ月分の滞納があった場合に、上記特約に基づき、
催告なしでいきなり解除ができるでしょうか。
この点、過去に繰り返し滞納があった等の事情が合わされば、無催告解除も可能ですが、
そういった事情もなく、ただ単に1ヶ月分滞納したというだけでは、
無催告での解除は難しいでしょう。
さらに言えば、このケースでは、単に1ヶ月分を滞納したというだけでは
催告の上での解除も難しいといえます。
他方、過去の裁判例では、賃料4ヶ月~5ヶ月分の滞納のケースで、
無催告解除を認めたものもあります。
裁判例では、滞納額や滞納月数だけではなく、過去の経過等も考慮しますので、
必ずしも、何ヶ月分の滞納ならば無催告解除も有効と断定することはできませんが、
4ヶ月~5ヶ月分というのは、1つの目安となるでしょう。
なお、実務的には、滞納が4ヶ月~5ヶ月分に達すれば、期限を設けて催告しても、
その期限内に支払えないことがほとんどですから、催告解除でも問題のない
ケースがほとんどと考えられます。
以上のとおりですが、参考になりましたでしょうか。
どのくらいのタイミングで契約解除通知を出せばよいのか、
お悩みの家主様・オーナー様・賃貸管理会社様は、お気軽にご相談いただければと思います。
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次回のテーマは、「借家契約と保証人」です。