電気ヤケと結露によるカビは
では、ヤニ以外の汚れについては、どうでしょうか?
まずは、電化製品による電気ヤケについてです。
テレビや冷蔵庫などの後部壁面にできる黒ずみを電気ヤケといいますが、これは一般的な生活をするための必需品であり、その使用で必然的に発生するものなので「通常使用による損耗」と考えられます。よって、クロスに発生した電気ヤケの修復費用は、貸主が負担することになります。
では、結露が原因でクロスにカビが発生した場合はどうでしょうか。
通常、結露は建物の構造上の問題で生じるものですから、これも借主が修繕費用を負担すべき理由はなく、修復費用は貸主の負担と考えられています。
ただし、この場合、カビを発見した後で借主がどのような対応をとったかということも問題になります。結露が発生した場合、借主には、それを拭き取ることで損害の拡大を防止したり、貸主に通知したうえで結露の発生を防ぐ措置をとる義務が課せられています。
借主がこのような義務を怠ったために、カビやシミが拡大してしまった場合には、「通常使用を超える損耗」と判断されますので、修復費用を借主に請求できます。