念書に入れるべき3つの内容とは
では、具体的な催告後の借主とのやりとりをイメージしてみましょう。
たとえば、催告後に借主が「すみませんでした。すぐに入金します」と言ってきたとします。 「すぐに入金します」の「すぐ」が翌日であれば、それまで待つという選択でも良いのかもしれませんが、ある程度先(たとえば1週間以上先など)であれば、念書を交わしておくのが賢明です。
念書に網羅する内容としては、次に挙げる3つがあります。
①借主が家賃滞納の事実を認める文言
②滞納している家賃を支払う意思を見せる文言
③支払いを履行しない場合は明け渡しを約束する文言
これらが網羅されていれば、基本的にはどのような文面でも構いません。文面例としては次のような内容になります。
私、佐藤太郎は、鈴木次郎氏所有の○○アパート○号室の○ヶ月分の滞納家賃計○○万円を、平成○年○月○日までに指定口座に入金することを約束し、これに反した場合は、賃貸借契約を解除されても異議はございません。ただちに本件建物を明け渡すことをここに約束いたします。
ただし、借主に対していきなり念書を書いてくれ、と頼んでも知識のない人がこのような文書を書くのは難しいでしょう。
本人が支払うと言っているのに念書を書かせるのは、やりすぎではないかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、この段階で念書をとることはとても重要なことです。
第1の理由としては、後々、お互いの発言を巡るトラブルに発展するのを防ぐためです。
第2の理由は、支払いが約束通り行われなかった場合、「貸主と借主の信頼が破壊された」という証拠になります。これにより、法的な手続きに移るときにスムーズにことが運びます。
第3の理由としては、書面で約束をしたこと自体が借主のプレッシャーになるということが挙げられます。
この段階でも、期日までに支払わない場合、法的措置をとる可能性があることをきちんと伝えておくことも大切です