緊急事態が発生した場合は?
火災などの緊急事態が発生している場合、貸主は、「緊急事務管理」として、承諾を得ないで部屋の中に入り、ガスや水道の元栓を閉めたり、消火活動をしたりするなど、適切な措置をとることができます。
事務管理とは、他人の事務(仕事)を処理する義務がなくても、当人に代わって処理することをいい、他人の財産などに緊急事態が発生している場合、これを防ぐために処理することを緊急事務管理といいます。
質問のケースでは、借主は3カ月も家賃を支払わずに部屋を留守にしており、「何かあるのでは?」と考えてしまうのも仕方ない状態にあるといえます。しかし、室内でガス漏れや水漏れ、火災などの緊急事態が発生しているとまでは言えないでしょう。
したがって、緊急事務管理とは認められず、やはり借主の承諾を得ないで勝手に部屋の中に立ち入ることはできません。